恋愛スキル


「じゃぁ……私、先生と花火大会行きたい!」


思い切って言った私を、先生はキョトンとした目で見ている。

「花火大会ってここのか?」


うちの地元の花火大会は穴場のスポットで、花火ファンと地元の人で毎年賑わっている。


出店も沢山出てるし、先生と歩けたらなぁ……と思ってしまったんだ。

小さい頃は、良く大輔と一緒に行ったっけ。



コクンと頷く私に先生は「オッケー!」とカレンダーにマルをした。



花火大会は16日。



16に印されたマルを見て、この印は私と先生の秘密だと思うと、何だか嬉しくて恥ずかしくて….


何の変哲も無い私の夏休みに、楽しみが出来た瞬間だった。



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