恋愛スキル


「俺の彼女に何か用?」


見覚えのあるジャージ姿に、私はホッとして涙が出そうになった。


大輔の背中がこの時程、大きく逞しく感じた事はないと思う。


私は思わず、大輔の背中の裾を掴んだ。

大輔はそれに気付いたようで、チラッと私を見るとまた男達に視線を戻した。


男は舌打ちをすると、"野郎連れなら用はねー!"と、ぞろぞろと私達の横を通り過ぎて行く。

最後の一人が通り過ぎよぅとした時、大輔が男の腕を掴んだ。



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