薔薇の欠片
僕に、出会わなかったら……?
僕は、彼女に出会わなかったら……?
「綺麗事は嫌いだ……」
「綺麗事に聞こえるかもしれませんけど、これが私の答えです」
まっすぐな瞳で、彼女は言う。
そんな風に言うなよ。
本当に僕のことが好きみたいじゃないか。
「覚悟はできてます」
覚悟?
何を言うんだ。
彼女は僕を突き放して
この森から逃げられるだろう?
なのに、
何を言うんだ。
彼女は女神のように微笑んでいた。