薔薇の欠片



「私、玲さんが好きなんです」



真っ直ぐに言う彼女を見ていると、

愛しさが溢れだす。



僕は彼女の額に軽くキスを落として、言った。




「僕も、


 憂のことが好きみたいだ」




すると彼女は顔を赤くして微笑んだ。



だから、
と僕は続ける。




「教えて。


 僕が忘れてしまったことを」



すると彼女は頷いて



「はい」



と言った。




「……っと。


 その前に、



 僕の名前を呼んで」



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