薔薇の欠片
君の秘密に錠前を、
その日の夜になると彼は
「夜こそが、僕の住む世界です」
と言った。
夜、コソガ
彼ノ、住ム世界。
そんな台詞を聞くと、
やっぱり私と彼は違うものみたいで嫌だ。
「夜の世界を見ませんか?」
少し、恐かった。
彼が吸血鬼だから、
だとかそんなもんじゃない。
そんなもんじゃない、けど。
何が恐いのか、
わからないけど。
恐い。
だけど、断れないのも真実だった。
だから、
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君の秘密に錠前を、