コンビニラブ
そんな自由な同世代の中に、自分が入っていることも忘れて、

(だから結局、芸能人同士くっつくしかないのかぁ?)

などと考える伸治は、

何件か入っていたメールの中から
ちひろのアドレスをみつけるのだった。


「あ…」


タイトルの無いそのページを、
恐る恐る開いてみる…


『元気ですかー!!(猪木風に読んでみて)聞いたよ!由衣とウマくいくかどうかが、あたしにかかってんだって?!なにそれって感じだけど、あんなに頭下げて謝られたら、あたしも許すしかないでしょ、やっぱ!てか、ごめーん!あたし、もう次、狙ってる人いるんだよねー!意地悪じゃないんだよ!ゲットしてから報告しよって思っていたのだぁ!だから、今すぐに由衣のところに行ってあげて!じゃね〜!ちひろ』


(そーなんだ…え、っつか、由衣ちゃんと俺って、そーだったんだっけ?)


文面の最後に記されているのは、
きっと、由衣のメールアドレスなのだろう。


分かっているのに、クリックをためらう伸治は、
つまり自分が、
“どーしても由衣じゃなきゃダメだ”ってことではないことを確信した。


でも、由衣の好意は知っているし
ちひろという障害もなくなった。

好きな人すらいない今、
けして悪い子ではない由衣の気持ちに応えることを少し悩みながら、
伸治は、眠りについていた。
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