ADVENTURE
ピンポーン

二人が話しているとインターホンが鳴った。

「すいません。隣の井川[いがわ]ですが…。」

インターホンの主は隣りの游冬[とうや]だった。

游冬は背が高く髪は短髪で、一般的に爽やか少年と表される容姿をしていた。


「游冬、ちょうど良かった。これあんたん家へのお届け物なの。帰る時に持って帰って。」

瑞穂は游冬にそれだけ言い残して、自分の部屋に入って行った。

玄関に一人取り残された游冬は少し寂しそうな表情をしていた。


「游冬くん、ごめんね。せっかく来てくれたのに、瑞穂ちゃんたら…。」

「いえ、大丈夫です。いつものことなので、もう慣れました。」

凛にはそう言ったものの、やはり游冬は寂しそうな顔のままだった。
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