オタク時々風俗嬢
そんな夜の世界にデビューした私だったけど、
どうしても離れられない人がいた。

別れても、また付き合ってしまう。
そんな人。

ヨシ。

出会いは、高校１年生の時。

友達の紹介でメル友になった。
当時は写メなんかなかったから、
顔なんてわからなかったけど。

ヒョンなことで、
彼の家の近くに行くことになり、
彼が道案内をしてくれると言い出し、会うことになった。

初めて会う彼は、
私の理想ピッタリの顔で。

一目惚れ。

後にも先にも、
一目惚れなんて彼で最初で最後だと思う。

そんなヨシは、
私の全部の初めての人だった。

会ってから、付き合うまで時間はかからなかった。

デートをして、
観覧車に二人で乗った。
頂上で生まれて初めてのキス。

彼の家に遊びに行くようになり、
彼の部屋で初めてのエッチ。

私にとって夢の世界だった。

彼が好きだった。
愛してた。

だから、ふられて、
またよりを戻そうと言われたら、
すぐに戻った。

それの繰り返しだった。

本当に、
人間の男の子を愛してると思ったのは、
彼が初めてだった。
< 9 / 14 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop