『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』



う~ん、

確かに紫は俺の初恋の相手なんだけど、

それは、小学生の頃の話で。


俺の初恋が、

見事に砕け散ったのがお前のせいだって、

いつか言ってやりたいけどね。



俺は、陸渡の背中が消えるのを待って、

紫のいる部屋のドアを叩いた。


「紫?

俺以外はもういないよ。

ケーキ買って来たんだ。

誕生日のお祝いしようぜ?」



はぁ。

まったく、兄弟揃って不器用な男だ。



















< 305 / 404 >

この作品をシェア

pagetop