『短編集』
「タクミ。
ちょっと話あんだ。
昼休みに、屋上来てよ?」
「めずらしいじゃん。
ナナが改まって話なんて。
部活の時じゃだめなのか?」
「んー、ちょっとさ。
ちゃんと来てよ。」
「おう!」
あいつは、ひらひらと手を振って、
去っていく。
タクミは、あたしが入っている剣道部の主将をしている。
人当たりが良くて、話が面白いので、
結構もてる。
放課後の剣道場は、
タクミ目当てで、覗きに来る女の子も結構いて、
あたしは、いつもやきもきしていた。