ピンチヒッター
プロローグ
「真季を甲子園に連れて行く!」

中村正太がバットを掲げて宣言する

正太が野球を始めてから
何度も聞いたセリフだ

「はいはい、行けるといいね」

あたし、
藤原真季は素っ気なく答えた


これがあたしと正太の日常

今まで何度も交わしてきた言葉


そんなあたし達も高校生になった

本当に甲子園を目指せる歳になった


とは言っても、
万年補欠の正太には期待してないけどね

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