ピンチヒッター
第八章 良いコンビ
屋上

あたしは正太、桜庭亮と一緒にいた

「明日の相手ってどんなチームなの?」

去年のベスト4だし、
なんとなく興味あったりするんだよね

「うちと正反対だよ」
正太が答えてくれた

「打って打って打ちまくるチームだ。
1番から9番までホームラン打てるらしい」

全員ホームランバッターって、
想像しただけで怖ろしい

「ヤバイじゃん!」

「関係ないだろ。
俺が全員蹴散らしてやるよ」

桜庭亮はいつもこんな感じだ

「はぁ~、
どうやったらそんな自信もてるの?

やっぱ自分が一番だと思ってるでしょ?
唯我独尊ヤロー!」

「違うっつーの!

俺より凄い投手も、
俺の球を簡単に打てる打者も、
い~っぱいいるんだぞ」

桜庭亮は両手を広げて“い~っぱい”を表現した

「じゃあ何で自信満々なのさ」

「う~ん、プライドの問題かな。
目の前の奴には絶対負けたくないんだよ」
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