REGRET ―忘れられない人―



「うわぁ、愛花。お兄ちゃんからかわいいコップもらったよ!3つもあるよ」



3つ。

その意味を花帆はわかってる?



俺と


花帆と


愛花ちゃん。




これから3人で過ごす時間が増えるから。


お揃いのグラスでジュース飲もうね、って意味なんだよ。





「愛花が落としても大丈夫なように3つもくれたんだよ~」


花帆のば~か。


全然わかってねぇじゃんか。




「お前、ばかだろ」


俺は花帆を見て、ため息をついた。



花帆は、どうしてばかって言われたのかわかっていないような表情をしていた。



俺は愛花ちゃんを抱っこして、自分の方へ向けた。



「な、愛花ちゃん。俺とママと3人でお揃いのコップだよ」



愛花ちゃんに、ハマりそう。

かわいすぎる。


俺の言葉がわかったかのように、にこにこ笑って、手足を動かした。




「そういう意味かぁ」


ちょっと抜けた愛花ちゃんのママは、グラスを見ながらうんうんと頷いた。





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