REGRET ―忘れられない人―
翌朝、朝食バイキングを食べていると奈美がやってきた。
おはようの挨拶もなしに、いきなり口を開く。
「花帆ちゃんの居場所わかんないの?」
そんなこと考えたこともない。
今さら会うつもりもないし、今会っても、アイツは俺を忘れているかも知れない。
「だって、机の落書きあんたが消したって花帆ちゃんは知らないんでしょ?」
「そうだけど・・・・・・?」
必死になる奈美が面白くて、元気になった。
同窓会を企画しろだとか、昔の友達に連絡して居場所を聞けとか・・・・・・
うるさい女。
だけど、居心地の良い場所。
兄貴のおかげで変な女と親友になっちまった。
ありがとな。