REGRET ―忘れられない人―
「そっか」
『うん』
「もう切る?」
『どっちでもいい』
あんなに話したかった花帆なのに、いざ話せる状況になると本当に何を話していいかわからない。
俺がちゃんと花帆を好きだったこと、伝えたいと思っていたのに・・・・・・
実際にこういう場面になると気まずくて言えねぇよ。
そんなこと言って、花帆が困るんじゃないかって思うし。
俺はライターに火をつけて、また消して、またつけて。
落ち着かない。
足元に落ちている石ころを靴の先で転がしてみたり。