旦那様は俺様でいぢわる
こっち来るしっ!!
「―――行くぞ」
「えっ………!?」
な、なにっ………!?
いきなり奴に手を引かれ、走りだした。
『逃げるなっ!!止まれっ』
『おいっ!!』
男達の言葉を無視し
奴らとの距離がどんどんひらいていく。
『――――――――!!』
『―――――!―――!!』
声はあっという間に遠退いていってしまった。
どういうこと………
なんでこの男…………
わたしは走りながら奴を横目で見ていた。
それはさっきとは打って変わって別人のようで、真剣だった。
なに…考えてんの……?
わたしはわけも分からぬまま、ただ引かれるままについていくしか、なかったのだった……――