COLORS【橙】パッション☆オレンジ
オレンジのジ
 「……っ、いけね!すっかり寝ちまったぜ」

……ぱさっ。

肩からはだけたタオルケットが床に落ちる。

そう、彼女が風邪をひかないようにとかけてくれたものだった。

「……蜜柑」

リビングに一人取り残された俺は、しばらくそれを見ながら、ぼーっとしていた。

時計は日付の変わる五分前を指していた。


ガチャ……。


やけに玄関の方が騒がしい。

「たらいま~今帰りましたよぅ~」

あいつら~ぁ!すっかり忘れてたぜ!

「遅せえぞ!この不良ども!」

さっ……酒臭い……予想はしていたが。

ああ~父さん、玄関で寝ちゃってるし……母さんも……ひどい有様だな。

全く……介抱する身にもなってほしいもんだぜ。

「よいしょ」
まず、母さんの腕を自分の肩にかけると俺はバランスを崩さないように、ゆっくりと立ち上がった。

「希ちゃん……」

「……?」

「蜜柑をよろしくね……」

「……母さん」

って!寝てるし……。
う~ん。これは寝言ととるべきなのだろうか?

俺は二人を順番に寝室に運ぶと、風呂場に直行した。
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