オモチャ
「うちのお父さんとお母さんは、二人とも働いてて、帰ってくんのは夜遅うなってからやから、うちはおばあちゃんに預けられてた。
今日…、クリスマスイブに、二人とも早う帰ってきて、クリスマスプレゼント買いに行こゆうてくれて。
うちは喜んで車に乗り込んだ。でも…。
よお考えたら、二人とも毎日働いてて、しかもその日も。
疲れてへん訳ないのに…」

「事故ったんや?」


可憐はこくりと頷いた。ガラスのような瞳から、涙が零れた。
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