オカルト・カルテ
微笑んでから一瞬反応すると
くすりと笑った。



「・・どうやらもうお別れのようですね。
お話が出来てとても楽しかったです。

ありがとうございます」



「え?あ、いえ!そんな・・!」



「詩織さん。どうかその気持ちを無くさないでくださいね。
それさえあれば、私たちも・・」




「え?」



口をつぐんでから首を振ったグラシャ=ボラスは
窓の外へと移る。



そして・・・




『どわああああ!?!?』



ぱくっ。




「す、ストラス!?」



見れば飛んできたストラスが見事に口にくわえられている。
そして彼の背には・・・



「成満さん!レラジェさん!!」



「やあ、詩織殿!また会えて光栄だ!」



「・・あの、もう大丈夫なんですか?」



「魔界のことかい?
ああ、心配は要らないよ。
我々はともかく・・・彼が散々暴れまわってくれたからね」


そういう視線の先にはストラス。
彼は不機嫌顔で腕を組んでいる。



『おい!狼!さっさと俺様を放せ!』



「やれやれ・・・。
せっかく飛ばされた君を助けようととっさに
したことなのにボラスを責めるのかい?」



『おまえは黙ってろッッ!!』




・・・えーっと・・。



「と、とりあえず!
みんな家に上がってください!」



そういいかけるとストラスがぽいっとこちらに投げ込まれる。
勢いあまって、ストラスは私の腕に飛び込んできた。


『どわっ!?いきなり何すんっ・・・!』



「残念ですが、私たちはこれで」
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