オカルト・カルテ
動き出す運命

変わるためには

「おーい、詩織?
元気ないぞー」




「……」



「…ったく、そんな落ち込むなよ。
朝パン落としちまったくらいで…」


はぁぁっとため息をつく悠ちゃんに
こっちがため息をつきたくなる。



「…違うよ、悠ちゃん」



そんなんじゃないよ……



あれから1週間。
2人はいまだに帰ってこない。


帰ってくる気配すらないし、
連絡も何もない。




シュトリはともかく、
ストラスは一応クゥだから
お兄ちゃんたちも心配していた。




『あれ、そういや最近クゥ見ないな?
詩織、おまえらまだケンカしてるのかよー』




そういわれて苦笑いすることしか
できなかったけど。




「……」



おもむろに、召喚書を取り出す。
最後に光ったあの日以来、動きは見せてない。



ストラスの忠告だったのかな、なんて
思ってるけど。




「…どこいっちゃったの、2人とも…」




窓の外を見ながら、私はつぶやいた。
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