小さな恋  …Small prince…


鈍い音と同時に、
目の前には険しい顔の
春谷が立っていて。



「行くぞ…っ」


さっきまで秋山先輩が
掴んでいた手首には


きつく赤い跡。


その赤い跡に重なるように
して、春谷の手が乗る。


「痛いよっ…。」


引っ張られるがままに、
屋上につれられた。



わたしを座らせて、
わたしの前にしゃがみこんだ。


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