あたしの執事
今の言葉を叔母さんが聞いたら、きっと倒れてしまうだろう。叔母さんがすごく哀れだ。


「おい着替えたか?」


シャワー室へとわざわざ移動したあたしに、ドア越しから聞いてくる如月。時間はまだまだ余裕があるはずなのに、何を急いでいるのだろうか?


「先食べてていいよー」


厚く丈夫なガラスはあたしの声を無駄に小さくし、発言を妨げる。


「あ?聞こえねーよ」


如月の声もやっと聞こえる程度。あたしにとってはありがたい話だ。


「だぁかーらぁ!先食べてていいって!」


今度は聞こえたようだ。如月は黙り静かに呟いた。


「…ですよ」

「え?何、聞こえない」

「主がご着席しなさらない限り、私達執事は食事にあたれないんですよ。だから…さっさと座りやがれ。このクソ女!」


意味も分からず激しく暴言を吐かれたあたし。クソはお前の方だと心の中で言い返す。
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