あたしの執事
「…?」

「あ、お目覚めになった?千秋ちゃん」


かすれながらも、叔母さんの顔が映る。


「びっくりしたのよ。玲から千秋ちゃんが頭を打って、倒れたって耳にしたものだから、急いで駆けつけたのよ」

「あ…頭を売ったんですか?あたし…」

「売ったんじゃなくて打ったのよ。…もしかして覚えていないのかしら?千秋ちゃん」


如月の部屋に行って、ベッドの上で跳ねた所までしか覚えていない…記憶が止まってる。


「雪子様、後は私が千秋様のお面倒を見ますので、どうぞお休みくださいませ」

「あら…悪いわね。じゃあ玲、お願いするわ」


叔母さんは静かに戸を閉め、スッと出て行った。如月はあたしの髪を掬い上げると、口元に近づける。


「何…」

「本当に覚えてらっしゃらないのですか?」

「だから何をよ」

「俺がしたコト」
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