君にティアラ
「あ、町田ぁ」

授業で先生に頼まれたプリントを運び終えて階段を降りてたら。

聞き覚えのある声に名前を呼ばれて振り返った。

(あ)

ニヤニヤと笑みを浮かべた先輩がそこにいた。

忘れてたけど、あたしの元彼。

「今日、ちょっと話があるから学校終わったら駅前のマックで待ってろ」

なんて。

「え…っ、ちょっ…」

それだけ言い置いてあたしの答えを待つ間もなく先輩は階段を上がってく。

相変わらずなその様子にあたしはため息を吐いた。




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