君にティアラ
(もしもし、果穂?)

(オレ、今から試合出るから)

(果穂に見に来て欲しい)



「お母さん、あたし出かけて来る!」


あたしは自分が部屋着なことも忘れて階段を駆け降りる。

自分の部屋が二階にあることをこんなに恨めしく思ったのは初めてだ。

玄関でスニーカーをつっかけて。

眩しい陽射しの中に飛び出した。
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