君にティアラ

その日は温くなったコーヒーを二人で飲んで。

お互いの指と指の間握って二人で帰った。


幸せ、ってこういうことを言うのかな。


胸の底からじわじわ嬉しさが湧いて来るのに、不思議と照れくさい。

胸の中がポカポカ暖かくって。

何も話さなくても頬を通り過ぎてる空気が何だか優しい。

目があったら、お互い意味もなく微笑み合ったりして。

指と指の間、ギューッて握った。


< 92 / 213 >

この作品をシェア

pagetop