お題小説





「死なないでくれ」








耳元で感じた微かな吐息と声






「…っ」
























ぎゅっと手を握った



すっかり冷たくなった君の手





もう握り返してくることはない











あの温もりが嘘のよう



















「返事くらいさせろよな」













ポッリと温かい雫が

冷たい体に落ちた







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