ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
「あ、ここ家」


途中まででいいって言ったんだけど、結局家まで送ってくれたミナキくん。


「銀爾の家の隣なんだな」


“早渡部”と書かれた表札を見て、ミナキくんは銀ちゃんの家を見上げた。


「銀ちゃんの家、来たことあるの?」


「あー……あるよ」


そこで会話が途切れる。


私は薄紫に染まった空を見上げて、小さくため息をついた。


もうバイバイかあ……。


……なんかあっという間だったなあ、帰り道。


 
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