永遠に。
第一章
家族がいて、友達がいて、先生がいて。
そうして私達は生きているの。

私は誰かに支えられているし、
同じく私は確実に誰かの支えになっている。


そう思えるのはとても誇らしい。

貴方が私の書いた文章を読んで
貴方の中に何かが出来たらそれは

貴方は私の大きな支え。

そして私は貴方の支え。





「さあ和子、気合入れて行くよッ」
そう言ってお母さんは無理に私の腕を引っ張る。

「ちょっと気合入りすぎ!たかが転校で」
私が呆れたように言うと、お母さんは「馬鹿ね~」とため息を吐いた。

私がその言葉にムッと膨れっ面をしていると、

「やぁっとお父さんの仕事のメドも立って、今日から多分引越しなんてしないのよ!?つまりアンタが卒業するのはこの中学校。皆と仲良くしなきゃエンジョイできるのもエンジョイできないでしょうが!」

と、ちょっとだけムキになったお母さんが言った。

私達家族はしっかり者のお母さんと、すぐ失業する頼りないお父さんと、面倒臭がりの私と、お母さん譲りの根性の持ち主の姉の四人。

失業や仕事の異動などで何度も繰り返し引っ越してきた我が小林家。しかも引越してすぐまた引越し。早くて一ヶ月しかソコにいなかった時もある。
だからはっきり言って私にも姉にも友達がいない。

私はこんな性格だからともかく、お洒落好きの姉だってもう高校一年生。
友達だって欲しいし彼氏だって欲しい年頃だろう。

それをお父さんも分かってか、最近やっと安定した職に就いたそうだ。
だからお母さん曰く、これで最後の引越しらしい。
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