鋼の心
「幹部という地位だけで…
我に逆らうのか?
ビオ・ゼイナ。」
さらに低く低くなっていく声。
とうとうルシュアは後退りを始めた。
「逆らってるつもりは更々ねぇ。
だがな、この女だけは認める事は出来ない。
ドンに手を振るうという事の
重大さも分かってねぇ。
敵のドンに狙われて殺されるのが落ちだ。」
「どちらにしても…
我の傍にいると言う事は
そう言うことだろう?」
茶髪男にそう答える銀髪男…。
ふと目が合い…
ルシュアは凍りついたように固まった。
金色の瞳が…射るように見つめてくるのだ。
金縛りにあったような感覚…。
本当の恐怖を…味わったような気さえ
ルシュアはしていた。