月と太陽の事件簿4/卒業までに解く問題
並び方は男女2列で出席番号順。

女子の出席番号1番はあたしだ。

だからあわてて先頭に立った。

「じゃ行くぞ。私語はつつしめよ」

先生はそう言ったけど、あたしたちの年代に黙って歩けだなんてのはムリな注文だ。

案の定、階段を降りる頃にはガヤガヤ騒ぎだした。

あたしは1人、喧騒から外れたところにいた。

そんな気分だった。

あの手紙のせいで心の中にモヤモヤがあったっていうのもあるけど、今は徹夜明けの眠気の方が勝ってた。

階段を降りるのも億劫になる。

ワッ!と背後で大きな声があがった。

クラスの誰かがあげた声だろう。

「おいお前らいい加減に…」

山田先生が振り向いた次の瞬間、あたしの背中を誰かが押した。

ボーっとしてたあたしは踏みとどまることも出来ず、前のめりに倒れこんだ。

ちょっと、ここは階段なんですけど。

「果穂里!」

幸子の悲鳴が聞こえた。

そんな気がした。

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