恋のSEASON
と、この1ヶ月で井上ブラザーズたちを知り、いつのまにか心を開くようになっちゃった。





「みんなおはよう。さ、学校行こう。」



私が歩けばみんな歩くし、止まれば止まってくれる。

始めは鬱陶しかったけど、今じゃ慣れてしまった。・・・慣れって恐ろしい。





今日は右隣に夏樹くん。

私が全員で横並びは迷惑になるし、話ができないよねって言ったら交代制になった。

ちなみに私に選択権はない。

ムカつくー。春が隣だと学校までの距離がぐっと長く感じるし、あっきーのベタベタする甘えはイラつく。言わないけど。




そう思っている私を、冬矢先輩と夏樹くんは気づいているみたいなんだけどね。



「マヒル、今日は弁当?」



だからかわからないけど、冬矢先輩と夏樹くんの隣はかなり居心地がいい。



「今日は比奈子ちゃんと食堂行くよ。」



「マジ?じゃあ俺も行くよ。」



「来るの?いいけど・・・。」


「大丈夫。春には言わない。」



ね?
わかってくれるの。だから隣にいるのが楽なんだ。は~春も見習えばいいのに。
しかも、お互いに無言でも話さなきゃ!っていうのがない。あっきーだと、沈黙はかなり気まずい。





あっきーとは校門で別れ、ヤマト高校組とは昇降口で別れた。

今日は隣が夏樹くんだったから早く感じた。

ピョンピョンと跳ねながら階段をのぼっていたら、二年の階で指を指され、こそこそなにか話しているのが目についた。



< 29 / 98 >

この作品をシェア

pagetop