恋のSEASON

ダークホース

あれから一週間が過ぎた。




今の私はと言いますと・・・


「マヒルっ♪今日、一緒に帰ろうぜ。え?いいの!?ありがとう♪」


「何、一人で会話してんの。」



春から猛烈アプローチされてます。か・な・り!鬱陶しい・・・。



「マヒル冷たい~。なにがなんでも今日は一緒に帰る!迎えに来るから!」



こうなったのも全部、冬矢先輩のせい。春に余計なことを言ったらしい。



バカが・・・。



「あーはいはい。帰ります。」



冬矢先輩に害はないかもしれませんが?私はすっごく被害受けちゃって迷惑してるんですけど!



「よっしゃ!じゃあ放課後な。教室で待ってろよ。また来るな。」



「あーうん。」



やっとチャイムが鳴って、春から解放された。



「はぁ~・・・。」



思わずため息をつく。
春の相手はかなり疲れる。

あいつ、人を振り回す性格しているから。学校では女に冷たい孤高の男みたいに言われているけれど、私の前ではただのチャラ男。



「眞妃琉、春くんに話し掛けられてため息つくのはあんただけよ。」



私の前に座って言うのは比奈子ちゃん。何度このセリフを耳にしたか。そりゃタコができそうなほど。



「ヤツの本性を知ればわかるよ。そんな孤高の男なんていいものじゃないんだから。」



「確かによく喋ってるなー、とは思うけどね。」





所詮、まわりから見ればそんな程度なのか・・・。




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