救世結社ガイア〜あなたの声はまだ遠く〜
黄色いベンチと美少年
銀と夏木が空を飛んでいたのと同じ頃…
野球グラウンド傍の黄色いベンチでは、
今日も千草優詩(ちぐさゆうし)が本を読みながら座っていた。
それに近づく、一人の人影…
「何してるの?」
優詩がその声に振りかえると、
そこには雅が立っていた。
「あなた…誰…?」
「ほらね。やっぱり僕になんか興味ないんだ。
そんな女の子、学校中で君くらいじゃない?」
雅はわざとらしく、大げさなため息をついた。
「それより質問に答えてよ。
僕は『何してるの?』って聞いたでしょ」
この高圧的な態度に、
優詩は顔を歪める。
そして乱暴に文庫本を閉じると、
「本を読んでいたの。見てわからなかった??」
と、あからさまに不機嫌な声で返答した。
「ふぅん…僕が聞きたかったのはそういうことじゃないんだけど…、
まぁいっか。今度は君の質問に答えるよ。
僕は山田雅。
名前くらい聞いたことあるだろ?」
「みやび…、あぁ」
優詩はいつもグラウンドに群がっている女子たちを思い出した。
そのような名前を口にしていたような気がする。
皆、この人を応援していたのね…
野球グラウンド傍の黄色いベンチでは、
今日も千草優詩(ちぐさゆうし)が本を読みながら座っていた。
それに近づく、一人の人影…
「何してるの?」
優詩がその声に振りかえると、
そこには雅が立っていた。
「あなた…誰…?」
「ほらね。やっぱり僕になんか興味ないんだ。
そんな女の子、学校中で君くらいじゃない?」
雅はわざとらしく、大げさなため息をついた。
「それより質問に答えてよ。
僕は『何してるの?』って聞いたでしょ」
この高圧的な態度に、
優詩は顔を歪める。
そして乱暴に文庫本を閉じると、
「本を読んでいたの。見てわからなかった??」
と、あからさまに不機嫌な声で返答した。
「ふぅん…僕が聞きたかったのはそういうことじゃないんだけど…、
まぁいっか。今度は君の質問に答えるよ。
僕は山田雅。
名前くらい聞いたことあるだろ?」
「みやび…、あぁ」
優詩はいつもグラウンドに群がっている女子たちを思い出した。
そのような名前を口にしていたような気がする。
皆、この人を応援していたのね…