only one


「加えてあった一文ってのが笑えるぜ。
権利を受け継ぐのは相続人から生まれた血を受け継ぐ子供って書いてあったんだ。」


「つまり、遥夢の子供?」


「そうだ。その意地悪な遺言を知っていたのが今拘留されている彰人。
彰人はすぐに釈放されるから心配するな。
アホ坊ちゃまに協力している同僚は俺の手で調度昨日締め上げたよ。
逮捕状もデタラメ書いてやがったから、明日にでも俺の家に連れて行く。」


「彰人は元気なのか?」

「あぁ、しばらく養生させればどうってことないだろう。」


「竜一達が旦那様を薬殺した証拠の映像がある。それをアンタに持っていてもらいたい。」


「お前はどうする。
もうアホ坊ちゃまの配下の振りをしなくてもいいだろ?
俺と一緒に来るか?」


俺は橋本さんに証拠の映像を焼き付けたロムを渡して首を横に振った。


「遥夢が危ない。
俺は遥夢を救わなきゃならない。
それに、竜一は橋本さんには捕まえることは出来ないよ。」


だって俺が殺すから…


最後の言葉は心の中で呟いた。


みんなの無事が確認できた今となっては竜一を生かすつもりはない。


旦那様の命、春香さんの命を奪った竜一も俺の手で…。







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