カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜
和やかな時間…。



ここに来ると、先生がいて、一緒に話すのは何より楽しかったなあ…。



私にとって、校舎の中で一番思い出の詰まった場所。


それが春からは…変わっちゃうんだよね…。



「宏介…。この前、準備室に来た時より物が少なくなってるね、机の上…。」



「ああ。俺もこの学校から出るからな…。少しずつ整理を始めているんだ。」



…先生、本当にここからいなくなっちゃうんだよね…。



分かっているけど、こうして机を目の前にすると実感が湧かないなあ…。



春以降に、準備室の扉を開けると、まだ先生が笑って迎えてくれそう…。



「…宏介も、学校変わるの寂しい?」



「そうだな…。寂しいよ。ここに赴任してきて、たくさんのいい生徒たちと出会ったからな。“先生”としては、生徒と別れるのは辛いものがあるよ。」




そうだよね…。


私たち生徒だって、大好きな先生が転任すると悲しい。



先生も同じ気持ちなんだね。



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