白き旋律

9.想いのその先に

* * *

「美咲…」


公園のベンチに座って顔を伏せたままの美咲がいる。


「美咲。俺は理由を聞きたい。
話してくれないか?」



無言のままだ。





「とりあえず帰ろう。
ここにいたら風邪ひくし。
美咲、帰ろう。」



俺は傘をさしだした。



依然として美咲は俯いたまま。

口も開かない。

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