白き旋律

｢会いたいよ。普通に顔が見たい。｣

｢なら行きなよ。｣

｢……。
なんつーの？この上ない気まずさにさ…
正直、どんな顔して会えばいいのか…
今思うと…自分は相当勝手だった気もするし。｣

｢勝手？｣

｢告白しといて、友達っていう関係は壊したくないとかって。
友達っていう関係を壊してでも聞いてほしいと思ったはずなのに…
いざ、紀紗との間に言葉で表せる関係性がなくなることを目の前にすると、せめて友達ではありたいと思ってしまう自分がさ…｣

｢人間、そんなもんだよ？
そもそも告白なんて勝手極まりないって。
特に両想いじゃなかった場合はね。
だって相手にはそういう気持ちがなくて、明らかに自分の一方通行だよ。
それでも聞いてほしい。そして心のどこかで、ちゃんとふってほしいって思ってる。
この恋を断ち切ってほしいから…｣



美咲が少し切なそうな顔をしてそう言った。