君と生きる【実話】


「めんどくさくなったら、すぐ別れるから。あんたがめんどくさくなってもすぐフッてくれていいし」


付き合う時のいつもの台詞



めんどくさい男は嫌い



「てか、あんたって呼ぶのやめよーぜ」


男は頷いたあとに、少し笑いながら言った







「名前」


「‥え?」


「名前、なんていうの?」


そういえば男の名前すら知らなかった


呼ぶ必要性もなかったし‥



「まじかよ‥」


この言葉にはさすがの男も凹んでいた



「光星だよ。光る星ってかいて光星。忘れんなよ?」


「‥こーせい?」


「そうだよ。ちなみに早生まれの二十歳。瑠奈とは学年でいえば4つ差。誕生日は1月10日。しし座のO型」


男は色々考えながら、一つ一つ瑠奈に伝えてくる


「そんな一気に言われても‥」


その姿が面白くて、思わず笑ってしまった



久々に笑った気がする



光星も笑顔だ



「よろしくな」


「はいはい」



こうして二人の"恋人"という関係ははじまった










ねぇ、光星







あなたはこの日を



覚えていますか?






この日から



全てははじまった








きっとこれが








最後の恋―








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