君と生きる【実話】

告白



「ちょっとトイレいってくる」


いい具合に酔っぱらい、瑠奈は席を立つ


「大丈夫か?」


「へーきだよ」


心配する光星に笑顔を向けて、トイレに向かった





―‥




「よっ」



トイレを出ると、瑠奈を待ってたかのように、雅也がいた



「ここじゃ誰かきたらアレだから、ちょっといいか?」


「うん、いいよ」


何か話でもあるのかと思い、雅也の後に続いて店を出る


そして、店の横にあるコンクリートに腰かけた



「‥なんか、こうやって瑠奈と二人っきりなんて久々だな」


雅也は懐かしむように、瑠奈の頭に手を置いて笑う


「‥ほんとだね」


智也といた頃は、雅也がいて仲間達がいて‥


男軍団の中に一人でも、笑顔が絶えなかった



「‥光星さんとは、うまくいってんの?」


「ん‥まぁぼちぼち」


雅也の問いに、言葉を濁らす


智也とのことを一番身近で見てきた雅也に、今の光星との話はしたくなかった



「‥瑠奈は、光星さんのこと、好きか?」



一番、聞かれたくない質問



「‥わかんない。でも、智也のことを好きでもいいって言ってくれたんだ」


でも、雅也だから、ありのままの気持ちを答えた



きっと雅也は、気付いているから‥



「それは、光星さんの気持ちを利用してんの?」


雅也は真っ直ぐ、瑠奈の目を見つめる



「‥そうだよ」


瑠奈は、視線を反らして呟いた


.
< 65 / 71 >

この作品をシェア

pagetop