捨て猫に愛をください
PM9:12
寒い・・・胃が痛い。
喉がヒュウと鳴る。

目覚めるとそこは薄汚く狭い部屋。
カビと埃の臭い。
冷たい床。
生活感の無い,荒れた部屋にあたしは転がされていた。
両腕は後ろでロープのような紐で縛られていて,両足も伸ばしたまま縛られていた。



そうだ。
高坂公園で・・・テツのリングを探してたら後ろから誰かに殴られて・・・。
ズキ
とする後頭部。
冷えきった体。
今,何時だろう。
グウゥウ
とお腹が鳴った。
そういえば夕飯がまだだったっけ。


ゴロン
と寝返りを打った。
痣まみれの肩や腰が悲鳴を上げる。
自分の荷物がどこにあるか知りたかったが思うように体が動かない。
ズリ,ズリ・・・
と少しずつ移動してみる。
と,その時,あたしは爪先を床に置いてあった鍋にぶつけてしまった。
しかもどうやら置いてあったのは鍋だけじゃなかったみたい。
心臓が止まるかと思うくらい酷い音を立てて鍋やフライパン,いろいろなものがあたしに降ってきた。



痛ぁ・・・・・・


その音に反応したかのようにバンと乱暴にドアが開く音がした。
「おう。お目覚めか,仔猫ちゃん。」
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