あなたまでの距離
お友達
『おはよう』

挨拶が飛びかう教室。

毎朝その教室に入る前に、私、片野菜々子は一度自分の服装をチェックする。

『OK!』

ドキドキしながらドアをあけると、窓際の一番後ろの席へと向かう。

自分の机にカバンを置きながら、さり気なく隣に座っている、西藤孝也に

『お、おはよう。』

と、挨拶する。

『おぅ。おはよ…』

いつものように軽く片手を挙げて返事をしてくれる。ただそれだけで、私の胸はドキドキでいっぱい…。

西藤君は、まだ眠そうに机に頬杖をついて、窓から見える景色をただぼーっと見ている。

周りは、友達同士で騒いでいるのに、そこだけ静かに時間が流れているようで
心地いい…

私も静かに椅子に座ると、西藤君の真似をして頬杖をつく。

もちろん、私が見つめてるのは、景色じゃなくて西藤君////。

そのままぼーっと見ていると、

『おっはよ!菜々子!』
ポンッと肩を叩かれた。
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