キズナ

ジョーがいなかった。

「ねえ、あいつは?」

「え?ああ、ジョーのこと?何か、仕事決まったって言ってたわよ」

「仕事?」

「インテリアデザイナーのアシスタントだって、住み込みみたいよ?よかったわね」

「何で…?」

「え?」

「何でよ、画家になるのが夢だったのに、何で諦めるのよ!」

「愛美…」

「ジョーは自分の個展を開くことがずっと夢だったのよ…どうして…」

「あんたのためなのよ」

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