わがままモデル王子は危険な香り
モデル桜嗣の生活

嫌いな男?

『桜嗣は寝起きが悪いから
努力が必要よ』

私はおばさんから渡されたカードキーを
持って王子の部屋に入った

おばさんの家は
王子のマンションと同じだ

王子は最上階で
おばさんはその下の階

部屋の広さは王子のほうは
圧倒的に広い

静かに靴を脱ぐと
王子の寝室に入って行った

真っ暗な部屋

セミダブルの大きなベッドの中央で

王子が寝息をたてていた


私はカーテンを開けた

太陽があがりかけているせいか
外はそれほど明るくなかった

ほんのり明るくなった室内

王子は身動きせず寝ている

カーテンの音では
起きないらしい

「あのぉ……」

声をかけてみる
返事はない


もう少し大きな声…かな?

「あのっ」

「あ?」

王子が薄目を開けた
私の姿を見ると、背を向けた

え?
起きないの?

「起きる時間です」

「うるせえ」

「起きないと…」

「うるせぇよ」

「じゃ、いいです」

私はぺたぺたと歩いて
寝室を出て行った



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