わがままモデル王子は危険な香り
ベッドに横になった

ベッドボードにある柵には無数の傷跡があった

少年の書いた日記には

『母親に手錠をかけられた
僕には抵抗する力なんかないのに母さんは僕を縛りたがる』

そんな文章があったのを思い出した

この柵の傷は、手錠をつながれた時の跡だろう

少年の気持ちを想像するだけで胸の奥がちくちくと痛んだ

私も少年と同じように、達明にこのベッドで無茶苦茶にされるのだろうか


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