147cmで始まる世界
◆147cm
「おはよ」

「んー、おはよ」

あたしは女友達がたくさん居る。

まぁ、普通だけど。

「理姫ー」

「ん?」

理姫とはあたしの名前。

神谷理姫という。

「りき」と読んで、よく男の子っぽいと言われる。

慣れてるから、苦笑するけど、ね。

「どうしよー・・・お金ぴいいいいんち!」

そう言って叫んでるこの子は瀬川楓。

「知らなーい。自業自得っしょ?」

「でーもーさぁー・・・。理姫ー」

「何ー」

「お金・・・貸して?」

満点の笑みで言ってくる。

「やだし」

あたしは冷たく返す。

「なーんーでーよー。うちら親友じゃーんっ」

「それとこれとは違いますーっ」

楓は可愛くて、懐っこい。でも大人で、一緒に居てすごく楽しい。

「てかー、理姫ー」

「ん?」

「今日の髪型超可愛いねーっ」

「お世辞言っても一緒だっつの」

「チッ」

「今何した?」

「何もしてまっせーん♪」

「っへぇー・・・」

楓はいつまでも口をとがらせて拗ねている。

「はいはい拗ねないのー」

そう言って10円を楓の手の平にのせる。

「・・・足ーりーなーいー!」

「それはどんまい、ってことで」

「けーちっ」

「返してもらうよ?」

「うぅ・・・、ごめんなさい・・・っ」

「それでおっけー♪」

キーンコーンカーンコーン・・・

「ん、チャイム鳴ったー」

「座りますかぁっ」

「うぃー」

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