幸せって?
扉を開けたそのとき。
 
美羽は慌てマンションを後にした。
 
カバンなんか投げ捨てて気がついたら裸足で走っていた。
 
砂に紛れたガラスの破片で足が切れ、血まみれ。
 
だけど美羽は走り続けた。
 
ゆくあてなんか無かった。
 
けど走らずにはいられなかった。
どれくらい走ったのだろう。
 
ある一軒家の前で力つきた。
 
美羽は空を見上げた。
 
空はにじんでた。
 
涙でにじんでた。
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