キャンディ

行ってらっしゃいをしてから、美咲ちゃんはあたしの腕を引っ張った。


「遊びに行こっ!!」


「いいよー。どこ行きたいの?」

「お外!」


「お外…?」



とりあえず家を出て、噴水がある大きめの公園に向かった。


通り道である、河原の近くの道を2人で歩く。



「ずるい。おねーちゃんばっかり…」


突然そんなことを言い出す美咲ちゃん。



「何が?」


「けーちゃん、いっつもおねーちゃんと喋ってるもん。」


「え、そんなことないよ?
美咲ちゃん、たくさん遊んでもらってるじゃん」


「それはけーちゃんが優しいからだよ。」


「…まぁ、慶にぃって優しいしね。」



美咲ちゃんの言ってることが難しくて、なんだかよくわかんない気がした。


たまに大人みたいなことを言う美咲ちゃんは、見かけよりもずっと大人なのかも。





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