キャンディ

次の日の朝。

いつもより早く目が覚めたあたしは、お風呂に入ってから朝食を食べた。


朝食の時間は、出来るだけ家族みんなが揃うことになっている。



いつも通りに、普通に接しなきゃ…。


リビングに行くと、まだ奈津美さんとお父さんしかいなかった。


「あれっ、真衣ちゃん今日早いね?」


「うん。目が覚めたから…」


自分の席に着いて、目の前にある奈津美さんの作ったハムエッグを一口食べた。



出来ることなら、このまま慶にぃが起きてこない間に食べ終わっちゃおう。


そんな思いも虚しく、今起きたばかりの慶にぃがリビングへ入ってきた。



「お…おはよっ」


自然に自然に、って意識しすぎて逆にぎこちない気がする。


慶にぃはあたしの目を見てから、眠そうな声を出した。


「おはよ」


そして、あたしの隣の席に座る。


「…昨日さぁ、」
「昨日ね、チケットもらったの。」


慶にぃの言葉を遮って、あたしが言った。

< 84 / 224 >

この作品をシェア

pagetop