合鍵 ~あたしの不愉快な夏休み~
……しっかし、この不機嫌な顔、何とかならないかなぁ。

朝からテンション下がるんだけど。




リビングに入ると、塔也はばさっとソファに倒れこんだ。

手を伸ばして、無言で床に落ちてた本を拾う。


また本の続きを読むらしい。

寝そべると、本をぱらぱらとめくる。



……どうやら、あたしの存在はとっくに忘れ去られてるみたい。


(……)


いいや。

こいつのことは気にしない。


あたしも、勝手に階段を上がって、部屋のドアを開けた。




2日目だし、慣れた感じで、あたしは宿題に取りかかった。


こうなりゃ無心にやってやる。

さっさと終わって、バイト料もらって、終わりにしよう。




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